私が好きな南部町の自然を紹介します。南部町は2015年に町内全域が重要里地里山に指定されました。2023年には南部町下中谷の一画が自然共生サイト「南部町の里地里山ビオトープ」に認定されました。
大山の西側に広がる生態系
重要里地里山
鳥取県の南部町は、環境省により重要里地里山に指定されています。里地里山とは、人の暮らしと自然が長い時間をかけて共存し、独自の生態系や文化が育まれた地域を指します。南部町では、昔ながらの田畑や山林、川などが連携し、多様な動植物が息づく風景が広がっています。また、里山の知恵や生活文化も色濃く残り、地域の人々の暮らしと自然が共に守られています。
自然共生サイトとOECM
南部町下中谷の集落を取り巻く環境が、「南部町の里地里山ビオトープ」として2023年に自然共生サイトに認定されました。2025年にはOECMとして国際データベースに登録されました。
田んぼビオトープは、これまで農業が維持してきた田んぼを粗放的(そほうてき)に管理しながら活用する、新しい田んぼの使い方です。
田んぼビオトープでの活動が、「南部町の里地里山ビオトープ」が自然共生サイトに認定されるきっかけとなりました。
ため池文化
農山村へと変化する中で、水が少ない源流の町で稲作を行うことは大変なことだったと思います。
南部町にはおよそ200か所のため池が各地に点在しており、ため池を使って農業用水を確保してきました。
今では、ため池をはじめ人々が造った止水域が、南部町の生態系の特徴となっています。
タタラの森
山間部の集落では、かつてタタラ(製鉄)が行われていました。
山から切り出した木と、真砂土からとれる砂鉄を使って鉄が造られました。
今でも田畑から鉧(けら)やくず鉄と呼ばれる、タタラの名残を見ることができます。
明治期に栄えたタタラの集落は、産業構造の変化によって農山村へと変わっていきました。