1.団体概要

  • 設立:2019年(2020年に一般社団法人化)
  • 目的:南部町の生物多様性を保全・活用し、地域の豊かさを高める
  • 会員数:8名(主な活動は1名が中心で実施)

2.活動のきっかけ

故郷である南部町に帰ってきたが、南部町の何が好きか言葉にして説明できなかった。自然観察指導員との出会いをきっかけに、周りの動植物も含めて自分の好きな南部町だと気づいた。町の特徴を活かした街づくりに取り組む


3.沿革

  • 2019年 生物多様性保全団体として設立
  • 2020年 一般社団法人化/田んぼビオトープ造成開始
  • 2021年 地域再生大賞の優秀賞を受賞
  • 2022年 自然共生サイト試行に参加(全国56か所の認定相当地)
  • 2023年 自然共生サイト認定(初回106か所の一つ)/山陰信販地域文化賞 受賞
  • 2024年 中海オープンウォータースイム事務局を受託

4.日常活動

  • 草刈り、観察会、ガイド、講演・講師
  • 2024年以降は2~6月にオープンウォータースイム事務局業務が集中

5.目指すゴール

  • 人口減少社会に適応して精神的・経済的に豊かさを実感できる里山の暮らし
    • 自然が暮らしを支え、経済活動の利益が自然へ還元される社会

6.戦略

  • 重要里地里山「南部町の里地里山」の保全と活用
  • 国が掲げる ネイチャーポジティブ実現 への貢献

7.将来像(10年後)

  • 緑水園・花回廊周辺に「ビジターセンター」を設立
  • 体験・研修プログラムを提供(国内外向け)
  • グッズ・教材による収益で活動を持続

8.最近の取り組み

山陰ツーリズム人材育成塾への参加をきっかけに、学校と企業向けの研修プログラムの造成に本格的に取り組みはじめる。


9.背景と社会動向

  • 2015年:南部町全域が重要里地里山に指定
  • 2023年:「昆明・モントリオール生物多様性枠組み」の締結
  • 2023年:自然共生サイトの認定制度が認定
  • 2024年:国がネイチャーポジティブ経済移行戦略を発表:47兆円の効果と予測

10.鳥取県内の状況

  • 県独自で自然共生サイトのマッチング支援を開始
  • 山陰合同銀行と日南町・企業の連携など、官民連携が進展

11.公的支援

  • 県によるマッチング支援、ふるさと納税「ギフ鳥」、補助金制度
  • 民間(docomo等)の助成金も開始

課題:人件費が経費に含まれにくい点


12.南部町の状況

  • 政策の中心は「町民・集落の生活改善」

13.県内の関連団体

江府町や淀江が精力的に活し、特に学習旅行・研修旅行に力を入れている。

  • 奥大山自然塾(江府町)
  • 一般社団法人Bisui Daisen(米子市淀江町)
  • 大山蒜山自然学校(大山町)
  • 天籟株式会社(江府町)
  • 米子水鳥公園(米子市)
  • 一般社団法人大山観光局(大山町)
  • 自然観察指導員鳥取連絡会(鳥取市)
  • 大山自然歴史館(大山町)
  • 鳥取県立大山青年の家(大山町)

など


14.体験学習への取り組み

  • 高校探究学習・企業研修を対象に試行中
  • 学校側の予算制約や謝金の仕組みに課題あり
  • 県や環境省などの推薦で企業向け研修を実施

15.課題

  • 知名度が低く、相互認知不足
  • プログラムに付加価値が少ない
  • 人的・資金的キャパシティ不足
  • 経済活動とのトレードオフ
  • 夏場の草刈りなど重労働との両立

16.展望

  • 今後さらに需要が高まる分野
  • 社会変化のスピードに対応できるかが成長の鍵

17.連携事例

  • 環境大学:高校生探究学習の場を提供(無償)
  • 鳥取大学医学部:外部講師参加(JSTより講師料支給)
  • 米子・境高校:探究学習講師として参加(学校謝金あり)
  • 鳥取県経済同友会:講演活動(関心のある層は限定的)
  • 環境再生機構研修:講師参加(環境省後援、強い実績に)

18.SWOT分析

内部環境(強み)

  • 生物多様性というオンリーワン資源
  • 顔が知られている
  • 活発な活動姿勢 → 応援したいと思われている
  • 民間団体ならではの大学・学芸員との差別化

内部環境(弱み)

  • プログラムの幅が狭い
  • 知名度が低い
  • 人的・資金的リソース不足
  • 環境整備などにリソースが割かれる
  • 専門性では大学等に劣る

外部環境(機会)

  • 分野が成長中
  • 自然にPRしてくれるネットワークの広がり
  • 公的支援が受けやすい

外部環境(脅威)

  • 大衆的人気が得にくい
  • 炎上リスクと常に隣合わせ

19.企業研修(CSR・人材育成)を対象としてSWOT分析

  • 対象:企業社員、経営層、CSR担当者
  • テーマ例:ネイチャーポジティブ経営、地域貢献、SDGs実践型人材育成
  • 強み
    • CSR研修の実績
    • 自然体験を活かした独自フィールド
    • 環境省・行政とのネットワーク
  • 弱み
    • プログラム体系化不足、収益モデル未確立
  • 機会
    • ネイチャーポジティブ経済の拡大
    • 企業CSR予算・助成金活用
  • 脅威
    • CSR予算削減、大手競合、企業活動との矛盾による批判

20.SWOT分析の結果からみる戦略の方向性

  1. 教育旅行(学校向け)
    • 社会的信用・普及活動の基盤
    • 持続的教育プログラムの整備
    • 大学・教育委員会との連携強化
  2. 企業研修(CSR・人材育成)
    • 収益確保の柱として育成
    • ネイチャーポジティブ×地域社会を組み込んだ独自プログラム化
    • 助成金・公的支援を活用し、競合との差別化

21.企業や団体が研修を依頼するメリット

  • 独自性:国内でも希少な自然共生サイトでの研修
  • 信頼性:高校・大学・企業・行政での実績多数
  • 柔軟性:民間団体ならではのオーダーメイド研修
  • 社会的価値:CSR・SDGs・ネイチャーポジティブの実践型研修

💡 ポイント

  • 教育旅行で社会的意義を提供
  • 企業研修で収益・実践力・CSR効果を同時に提供
  • ミッションと実績が揃った、依頼したくなる団体